IWAKI'S ROAD
#01.TRAINING IN THE NETHERLANDS



岩城滉一氏が宇宙への挑戦を発表した3か月後の2013年8月23日。
いよいよトレーニングに参加するため岩城氏率いるプロジェクトチームはオランダにむかった

12時間にも及ぶ長旅を終え到着したアムステルダム空港には、このSPACE ADVENNTUREプロジェクトを手掛ける民間人向け宇宙探索・旅行会社である「SXC」スタッフが特製ウエアに身を包み、岩城氏を出迎えてくれた。
SXCと一緒にこのプロジェクトをサポートしているウォッチブランド「Luminox」のロゴ入りリムジンバスに乗り込みまず向かった先は、元F-16戦闘機パイロットでありSXC創設者の一人、そしてオランダ航空協会の権威でもあるベン・ドロステが待つ素敵なレストランであった。
岩城氏への特製ウエアやパラソルの贈呈に加え、メニュー表には「Mr.Iwaki’s Space Tranig」という記載があるなど、細かなおもてなしに岩城氏も感激。ベンからの、プロジェクトや宇宙飛行に関しての丁寧な説明に、改めて本格的にプロジェクトがはじまった事を予感した初日の夜であった。

トレーニングにむけて、体調を整えるために2日間はゆっくりした時間を送った。アムステルダムの静かに流れる運河や迷路のように入り組んだ街並、芸術的な建造物。その中で、昼間から溢れかえる人に紛れてもひときわ目立つオーラが岩城氏にはあった。その存在感はヨーロッパに来ても変わらないのだった。


デスデモーナ

8月26日。
トレーニングは「デスデモーナ」という最新鋭シミュレータからはじまった。デスデモーナは、あらゆる方向から3.3GまでのGを発生させることができ、操縦席で最新鋭の180℃シュミレーションビデオを見ながら、実体験に近い飛行訓練が行える。
トレーニング前の健康状態チェック、フライトに関しての全体説明を受ける岩城氏の姿は真剣そのもの。緊張感漂う関係者の中、シミュレータにのりこむ岩城氏のみ余裕が感じられた。始まってみると、外側から見るそのシミュレータは驚くほどの回転スピードと回転の仕方で言葉を失う程だったが、映像をみていると本当に飛行しているような感覚になり、終わった瞬間には本当に飛行を終えて帰還してきたような感動さえ覚えた。

無事トレーニングを終えた岩城氏には合格した証としてワッペンが贈呈された。そして、宇宙飛行士だけが書き残す事ができる壁に、特別に岩城氏のサインの許可が下った。これからの未来に名を残す、世界に誇れる歴史的瞬間であったように思う。


L-39アルバトロス戦闘機

翌8月27日。
アムステルダムから2時間ほど車で走ったところに、次なるトレーニングとなる「L-39アルバトロス戦闘機」はあった。デスデモーナ・シミュレータは3.3Gまでだが、実際の宇宙飛行では4Gもの重力がかかる。それを今度は実機を通じて体験するというトレーニングだ。今回は特別にSXC創始者の一人であるハリー・ファン・ハルテンが岩城氏のためにトレーニングパイロットをかってでてくれた。
急上昇、急降下、急旋回を行いあらゆる方向のGを経験。普段レースなどでGに耐えている岩城氏は、急上昇での4Gも全く問題なくクリアした。そして、4Gに耐えた岩城氏に対して今度は横からの4Gが長く続くミッションがあたえられたのだが、4Gがかかる際には体にチカラをいれ、踏んばる必要性がある。そのタイミングで岩城氏は一瞬気を失ってしまった。そう、想像より長くGが続くタイミングでチカラを抜いてしまったのだ。すぐに復活しその後も続けることはでき、トレーニング自体は無事終了。見事合格となった。

閉ざされた空間。英語でのコミュニケーション。誰も助けてはくれない。逃げ出すことはできない。そんな極限状態であるということ。実際のフライトは宇宙なのだ。簡単ではない。そのことを思い知らされたトレーニングとなった。


SXC社を訪問

翌8月27日。
トレーニング合格の修了書を受け取り、オランダトレーニングは全て終了。最終日の帰国前には、アムステルダムにあるSXC社を訪問。創始者ハリーやベン・ドロステも改めて岩城氏を歓迎してくれた。

まだ始まったばかり。これからが本番。
実際のフライト時にはどんな感動と歴史に残る瞬間に出会えるだろう。
一瞬たりとも目を離さず見守っていてほしい。


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